包茎と性病との関係
包茎に対して、たいていの人が良くないイメージを持っているようです。包茎に関する正確な知識がないと、間違った見方をしてしまうことがあります。たとえば、「包茎の人は性病にかかりやすい」といわれています。しかし、このような見方は少し間違っているかもしれません。包茎だからといって、必ずしも性病にかかるとは限りらないからです。
でも、なぜ包茎の人が性病になる確率が高いのでしょうか?
包茎と性病は密接なつながりがあることを覚えておきましょう。包茎だと、ペニスがどうしても不衛生になりがちです。常に亀頭が包皮で覆われているために、恥垢がたまりやすいのです。ペニスの包皮の内側はいつも湿った状態にあるので、菌が繁殖しやすくなっています。こうした不衛生な状況が性病にかかる一番の原因です。ですから、包茎であっても、衛生面に気を配ってペニスをいつも清潔にしているなら性病にはかかりません。
では、包茎の人がかかりやすい性病とは何でしょうか?
一番かかりやすいのが「亀頭包皮炎」です。
亀頭包皮炎にかかると、亀頭が腫れたり、膿が溜まったり、痛みやかゆみを伴う症状が出ます。単なる炎症だと思って、放っておくと危険です。尿路感染症になることもあり、そうなると用を足す度に痛みを感じるようになります。さらに、腎盂腎炎(じんうじんえん)、膀胱炎になることもあります。その場合には、泌尿器科での治療が必要となります。
また、包茎の人は「尖圭コンジローム」にもかかりやすいとされています。尖圭コンジロームになると、包皮の内側や亀頭の周り、冠状溝などにイボ状の発疹ができます。
自覚症状があまりないので、症状に気付くのが遅くなることがあります。放っておくと徐々に増殖してカリフラワー状になってしまうようです。また、他の病気を併発してしまう可能性も高くなります。ですから、早めに治療することが大切です。
他にも、包茎の人がかかりやすいのが性器ヘルペスです。性器ヘルペスにかかると、ペニスや亀頭部などに小さな水疱や赤い発疹ができ、痛みや神経痛を伴います。このヘルペスウィルスは感染力が非常に強く、接触すると伝染してしまうので注意しなければなりません。性器ヘルペス感染後、2〜10日の潜伏期間を経て発症します。包茎のペニスは、亀頭と包皮の内側が粘膜性の皮膚になっているため、ウィルスに感染しやすくなっています。性器ヘルペスは、再発頻度が高い性病です。ですから、性器ヘルペスの疑いがあるなら、早めに病院に行き治療を受けたほうがいいでしょう。
包茎の人がかかりやすいとされる性病について、ある程度の知識を持っておきましょう。そうすると、もし性病にかかったとしても、すぐに対応することができます。ふさわしい治療を早めに受けるなら、症状の悪化を防ぐことができます。そして何よりも大事なことは、いつもペニスを清潔に保ることです。毎日の入浴時に、包皮をむいて恥垢をきれいに洗い流すようにしましょう。もし可能なら、外出先でもトイレの個室などで、ウェットティッシュでペニスをきれいに拭いてあげましょう。普段からペニスを清潔にしておくよう努力するなら、性病にかかる確率もかなり低くなります。また、包茎の治療のために手術を受けることも選択肢の一つです。